潰瘍性大腸炎と診断された方へ。
今から1年前、23歳のときに発病したわたしの実体験に基づいてお伝えします。
どういう病気なの?治療は?今後どうなるの?
そんな不安を少しでも解消する一助になれば嬉しいです。

でも元気になって本当によかった

潰瘍性大腸炎 どんな病気?症状は?治療は?
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、主として粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のびまん性非特異性炎症である。医科学国際組織委員(CIOMS)では「主として粘膜と粘膜下層を侵す、大腸特に直腸の特発性、非特異炎症性疾患。30歳以下の成人に多いが、小児や50歳以上の年齢層にもみられる。原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられている。通常血性下痢と種々の程度の全身症状を示す。長期にわたり、かつ大腸全体を侵す場合には悪性化の傾向がある。」と定義している。多くの患者は再燃と寛解を繰り返すことから長期間の医学管理が必要となる。
出典:難病情報センター
簡単にまとめると
✔︎大腸の粘膜にただれや潰瘍ができる炎症性(※1)の腸疾患
✔︎発病の原因は不明
✔︎30歳以下の発症が多い
✔︎再燃(症状が悪化する)と寛解(症状が落ち着いている状態)を繰り返す
✔︎現時点で、完治させる治療法はない
※1 免疫システムによって起こる腫れや痛み、発熱などの反応
指定難病とは
・治療法がない、もしくは、根治の治療法がない
・希少な疾病
・長期にわたって継続的な治療が必要
(要件:患者数が一定数以下で、客観的な判断基準が確立している)

症状
代表的な症状は以下のとおりです。
✔︎下痢
✔︎血便
✔︎腹痛
✔︎発熱
✔︎体重減少
症状の程度によって、軽症、中等症、重症、激症にわけられます。
重症化する人は少なく、全体の9割が軽症〜中等症です。

辛そうだったけど大丈夫だった?
お腹が痛くて本当に辛かった、

患者数
潰瘍性大腸炎の患者は、厚生労働省の「平成30年度衛生行政報告例」によると、124,961人(2018年度現在)。
人口10万人あたり100人程度となっています。
患者数は年々増加しており、1990年までは約3万人だったので、30年間でなんと4倍。
その背景には、内視鏡による診断法の向上やこの疾患に対する認知度が向上したことに加え、食事を含む生活習慣の影響も大きいと考えられています。
治療法
薬物療法が基本。
ただし、これらによる改善が見られない場合は、血液成分除去療法や大腸を全摘出する手術療法を行います。

先生からは最悪手術の可能性もあるって言われてたから、薬が効いて本当によかった、、

発症〜入院〜退院までの約40日間を振り返る
経過をざっくりまとめるとこんな感じです。
血便、水下痢
↓
近所の内科受診
↓
症状悪化
↓
大学病院の夜間診療を受診
↓
緊急入院
↓
検査
↓
潰瘍性大腸炎と診断される
↓
治療開始
↓
絶食、点滴(2〜3週間)
具合が悪い
↓
食事開始、薬の量が減る(1週間)
元気になる
↓
入院1ヶ月で退院
症状がでてから入院するまで
初期症状
わたしの場合、下痢と血便の症状がまず現れました。
便に血が混じるってかなりヤバい感じがしますが、ネットで調べてみて、重い病気とは違う気がしたので、とりあえず様子を見ることに。
それがGW直前。
GWは6月の結婚式に向けてヘアメイクの打ち合わせや試食会があったので気にせず過ごしました。
しかし、日に日に症状は悪化。
トイレに行く回数も増え、食べたものがそのまま出ていく感じに襲われました。

症状悪化
受診した病院では詳しい検査ができなかったため、GWが終わったら大きい病院で詳しい検査をするように言われ、整腸剤をもらいました。
しかし、それで良くなるどころか症状はますます悪化。
その頃には、1日に20回はトイレに行っていました。
水みたいな下痢に加え、腹痛や発熱の症状も。
緊急入院
初期症状から約10日。
お腹の痛みも強くなり、夜も眠れないほどに。
GWで病院はどこもやっていなかったため、大学病院に電話で相談すると、夜間診療を受けることになりました。
貧血や栄養状態が心配ということでそのまま入院。

でもいきなり入院するからびっくりした

入院生活
検査
血液検査、大腸内視鏡検査、便検査、エコーをしました。
大腸内視鏡は痛すぎて泣きそうでした。
もうトラウマ。
ですが、この病気の判定には必須の検査です。
症状が悪化していなければ、そこまで痛い検査ではないみたいなので、ぜひ早めの検査を。

潰瘍性大腸炎
検査をしたからといってすぐに病名が断定できるわけではありません。
2週間前後かかります。
ですが、症状をみるとほぼ潰瘍性大腸炎で間違いないとのこと。
わたしはこのとき初めてこの病気のことを知りました。
先生からの説明では、
- 国の指定難病のひとつで、長期の治療が必要となり、完治はない
- 症状や治療法は人によって異なる
- 薬による内科的な治療がメインだが、最悪手術で大腸全摘出になる
- しばらくは食べ物と水以外の飲み物は禁止
- 入院は最短で1ヶ月、最長だと半年になる可能性も
こう説明を受けたときに、頭が真っ白に。
不安で不安でたまらなかったです。
特に2ヶ月後に迫った結婚式をどうするか、が一番心配でした。

入院生活〜絶食の日々
さっそく治療開始。
炎症を抑えるためステロイド等の薬の服用、栄養補給のための点滴、いくつかの検査。
しかし、すぐに効果はみられず、最初の2週間くらいは辛い日々が続きました。
この病気の特徴らしいのですが、明け方3時から午前9時ごろにかけて症状が悪化します。
深夜、腹痛で寝られない。
↓
寝不足でお昼に寝てしまう。
↓
夕方やっと元気になったと思ったら、9時に消灯。
↓
しばらく眠れない。
↓
やっと寝たと思ったら、お腹の痛みで目覚める。
こんな悪循環が続きました。
入院生活では、夜が長すぎて、消灯になるのが嫌で嫌でたまりませんでした。
また、絶食というのも辛かったです。
点滴で栄養を十分に摂取できているため、お腹はまったく空きません。
ですが、3度のご飯がなくベッドに横になったままだと何もやることがない。
1日がひたすら長く感じました。
また、他の患者さんは食べている中、自分だけ何も食べられないというのは寂しい…
入院生活〜回復期
ステロイドや他の薬のおかげで、入院後20日がすぎた頃から、徐々に元気になってきました。
食べ物や飲み物も少しずつ許可がおり、
栄養ドリンク → 流動食 → 重湯 → 三分粥 → 五分粥 → 全粥 → 一般食
と変化。
ご飯が食べられることがこんなにも嬉しいとは思いませんでした。
また、元気になってくると、病室にいるのが暇で辛くなってきます。
それまでは車椅子で移動(体力が落ちているため)していたのですが、
自分の足で歩けるようになって嬉しい!

そしてわたしは入院からおよそ1ヶ月。
想定された中では、最短で退院することができました。
退院後
退院後は、自宅療養を5日間してから仕事復帰。
また、なんとか結婚式にも間に合い、新婚旅行にも無事行くことができました!
今は症状が落ち着いており、毎日の薬の服用と2ヶ月に1度の外来受診はあるものの、発病前となんら変わらない生活が送れています。
だから、この病気になってしまった方に言いたいのは
「あまり悲観的にならないでください。」
ということ。
もちろん個人差はあります。
ですが、多くの人が回復して、元気な毎日を送っていますよ。
元気になった今だから思うこと
早めの受診
やりたいことはやれるうちにやる
- 結婚式や新婚旅行どうしよう
- もっと色々な場所に行きたかった
- もっと好きなことをすればよかった
- 親孝行をもっとしておけばよかった
- ダイエットとか言ってないで、好きなもの食べておけばよかった

次はオーストラリアがいいな〜❤︎

やっぱり健康が一番


まとめ
いかがでしたか?
潰瘍性大腸炎について少しお分かりいただけたでしょうか。
潰瘍性大腸炎と診断されると不安でたまりませんよね。
お腹が痛くて辛いですよね。
その気持ちは本当によくわかります。
でもこの病気は再燃と寛解を繰り返すもの。
今は症状がでて辛いですが、きっと落ち着きます。
日本では12万人がこの病気と闘っていますが、そのうちのほとんどが普通の人と変わらない生活を送っています。
わたしもそのうちの1人です。
だから前向きに、無理せずお過ごしください。
一日も早く回復することをお祈りしております。