コロナウイルスの影響で、免疫力向上が期待できる発酵食品が注目を集めていますね。
とりわけ、一時期スーパーから納豆が消えてしまうほど。
残念ながら、納豆がコロナの予防になるという科学的根拠はないそうです。
とは言え、古くから日本人に親しまれてきた納豆はやはり健康にいいことは間違いありません。
今回は、納豆を食べることで期待できる健康効果と、栄養価アップのちょい足しアレンジをご紹介します。

納豆の栄養価
栄養素 | 1パック(50g)あたりの含有量 | 1日の推奨摂取量 | 働き |
たんぱく質 | 8.2g | 男性:60g 女性:50g |
筋肉や臓器など体を構成する要素で、三大栄養素のひとつ。 |
食物繊維 | 3.3g | 20g以上 | 善玉腸内細菌の餌となり、腸内環境を改善する。 |
カリウム | 330mg | 男性:2500mg 女性:2000mg |
細胞の浸透圧を維持したり、尿中への排泄を促進し血圧を下げる。 |
マグネシウム | 50mg | 男性:350mg 女性:280mg |
酵素の働きを助けたり、血管を拡張させて血圧を下げる。 |
カルシウム | 45mg | 45mg | 骨や歯の主要な構成成分になるほか、神経興奮の抑制をする。 |
鉄 | 1.6mg | 男性:7.0g 女性:8.5g |
酸素を運搬する役割であるヘモグロビンの材料となる。 |
葉酸 | 60ug | 240ug ※妊娠中 480ug |
「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の生産を助ける。 |
ビタミンK | 300ug | 150ug | 血液凝固の補酵素として働いたり、丈夫な骨づくりの形成を促進する。 |
ビタミンB2 | 0.28mg | 男性:1.6mg 女性:1.2mg |
「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進や、皮膚、髪、爪などの細胞の再生に関与する。 |
ビタミンB6 | 0.12mg | 男性:1.4mg 女性:1.2mg |
免疫機能の正常な働きの維持や皮膚の抵抗力の増進に関与する。 |
※1日の推奨摂取量は、年齢や活動量によっても異なります。
出典:https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html
納豆で得られる健康効果
ナットウキナーゼ
納豆特有のネバネバに含まれており、たんぱく質分解酵素で、納豆にしか含まれない特別な栄養素。
血液をサラサラにしたり、血圧を下げる働きがあり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓を予防します。
血栓は深夜から早朝にかけて出来やすいため、夜食べるのがおすすめ。
「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質が豊富
三大栄養素のひとつであるたんぱく質は、
筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作る役割があります。
・筋肉量・筋力が低下 → 痩せにくく太りやすい身体に
たんぱく質は主に、動物性と植物性があり、その割合は1:1が理想的。
納豆は1パックで8 gの植物性たんぱく質が摂取でき「畑の肉」と呼ばれる優秀食材です。

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豊富なミネラルやビタミン
納豆1パックには豊富なミネラルやビタミンが含まれています。
同じく栄養価が高いといわれる卵と比較してみます。
- マグネシウム ー 卵8個分
- カルシウム ー 卵1/2個分
- 鉄 ー 卵2個分
- 葉酸 ー 卵3個分
- ビタミンB2 ー 卵1個分
- ビタミンB6 ー 卵3個分
参考:https://www.malucane.co.jp/egg_pedia/eiyo/1-1.html
バランスの取れた食物繊維
食物繊維には、水溶性植物繊維と不溶性食物繊維があり、両方をバランスよく摂取することが大切とされています。
理想的なバランスは、「水溶性:不溶性=1:2」で、納豆の食物繊維はその理想的な割合に近く、まさに便秘解消にはもってこいの食材ですね。
このように、納豆単体でも十分すばらしいですが、食べ合わせによってその効果は倍増。
さらにおいしいという一石二鳥なちょい足しアレンジをご紹介します。

ちょい足しアレンジ
便秘解消「納豆」+「オリーブオイル」
納豆もオリーブオイルも腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が整うと免疫力アップや、美肌効果も期待できます。
理想的なバランスの食物繊維で腸を刺激する納豆と、腸内での便の動きをスムーズにするオリーブオイルの組み合わせは、便秘解消には最強の組み合わせといえます。

腸内環境改善「納豆」+「キムチ」
納豆に含まれるオリゴ糖が、キムチの乳酸菌の餌となり、相乗効果が生まれます。
また、発酵食品は1種類をたくさん摂るよりも、数種類を摂るようがより善玉菌の活性化には良いとされています。
納豆が苦手な人でも食べやすいキムチチャーハンは定番ですが、
納豆に含まれる一部の栄養素は熱に弱いため、加熱しすぎないようにしましょう。
疲労回復「納豆」+「ねぎ」
ねぎと組み合わせることで納豆に含まれているビタミンB1の吸収を促進します。
ビタミンB1は、糖質をすばやくエネルギーに変える働きがあり、疲労回復効果の期待大。
納豆とねぎの組み合わせは定番ですが、ちゃんと効果があるのが嬉しいですね。
栄養満点「納豆」+「卵黄」
納豆に含まれる「ビオチン」と卵黄に含まれる「レシチン」は相性がよく、相乗効果が期待できます。
しかし、卵白とビオチンの相性は悪いため、注意しましょう。
詳しくは、あとで説明します。
納豆の栄養素を逃す?!気をつけたいこと
70℃以上でナットウキナーゼは死滅する
ナットウキナーゼは熱に弱く、70℃(水分が多いと50℃)以上になると死滅してしまいます。
納豆チャーハンを作る際は、納豆を最後に入れるなど工夫して加熱しすぎないようにしましょう。
ちなみに、アツアツのごはんの上に乗せて食べるのは良くないという意見もありますが、炊き立てすぐでもない限り50℃もないことがほとんどなので、セーフです。
納豆と卵白は相性が悪い
納豆に含まれるビタミンB群の一種の「ビオチン」と、卵白に含まれるタンパク質の一種の「アビジン」は結合する性質があり、結合することでビオチンの吸収が妨げられてしまいます。
ビオチンは、髪や爪、肌などを健康に保ち、新陳代謝をアップ、美肌効果、アンチエイジング効果があるといわれており、納豆の栄養を逃さず摂取したいなら、避けたいところ。
しかし、納豆に含まれるビオチンの量は特別多いものではないうえ、納豆に限らず多くの食品に含まれているため、通常不足することはありません。
また、アビジンは熱に弱い性質があるため、加熱すれば問題ありません。。
逃さず栄養をとりたいという人は、卵黄のみにするか、オムレツや温泉卵にしましょう。
食べ過ぎは危険!1日最大2パックまで
どんな食べものもそうですが、食べ過ぎは危険です。
納豆は1パック(50g)あたり100㎉と、意外と高カロリー。
また、納豆にはプリン体や、ミネラルの一種である「セレン」が含まれており、食べ過ぎると痛風や胃腸障害や下痢、疲労感などを引き起こす原因になります。
年齢や体型にもよりますが、1日2パックまでにしておくのが無難です。
まとめ
いかがでしたか。
伝統的な日本の食材である納豆はやっぱりすごいことがお分かりいただけたと思います。
最後におさらいです。
・腸内環境改善→納豆+キムチ
・疲労回復→納豆+ねぎ
・卵と一緒に食べるときは、卵黄のみ or 卵を加熱する
・1日最大2パックまで